レンタルサロンの5つのメリット！開業時の注意点は？

エステサロンの独立開業を考えている方がまず悩むのは、どこで、どのように営業するかということではないでしょうか。

サロンを開業する際に、物件を探したり店舗を管理する手間を省き、レンタルスペースを使って手軽に営業できるのがレンタルサロンです。

この記事では、エステサロンの運営にレンタルサロンを利用することのメリットやデメリット、注意点をご紹介します。

レンタルサロンとは

レンタルサロンは通常の賃貸契約と違い、借主が利用したい時だけレンタルスペースを借りられるサロンです。時間単位や月極単位で施術場所が借りることができ、家具なども設置されている場合もあるため、初期コストを大きく抑えられます。

以前までは、サロン開業というとテナントを借りるか、自宅を改装して利用するケースが多かったですが、近年はレンタルサロンの利用も増えつつあります。

シェアサロンとの違い

美容サービスを提供するスペースや設備を貸し出すサロンとして、レンタルサロンとよく混同されるのがシェアサロンです。どちらも、必要な時間だけスペースや設備をレンタルできますが、大きく異なる点はスペースの区切り方です。

レンタルサロンは1つの個室をそのまま貸し出しているのに対し、シェアサロンはサロンスペースの一部を貸し出します。

中には、既存サロン店舗の空きスペースや空き時間のみを提供しているシェアサロンもあり、技術者がいればあとは何も準備せずにすぐにサロンワークを展開できるのが利点です。

一方で、レンタルサロンは個室を借りるため、よりプライベートな空間で営業することができます。

レンタルサロンに向いている職種

レンタルサロンを利用する際は、基本的に毎回施術に必要な器具を持ち込む必要があります。そのため、次のような大がかりな器具が不要な職種がレンタルサロンに向いているといえます。

• エステティシャン
• ネイリスト
• セラピスト

レンタルサロンのメリット

エステサロンの開業にあたって、レンタルサロンを利用することには以下のようなメリットがあります。

• 費用を抑えられる
• 場所の制限がない
• 公私をはっきり区別できる
• 必要な時だけ借りられる

費用を抑えられる

エステサロンでお客様に最高の空間を提供しようと思うと、内装や設備、メンテナンスに費用や労力をかける必要があります。特に開業資金として、ある程度まとまった資金を要することがサロン開業の大きな悩みのタネです。

レンタルサロンでは、ベッドやキャビネットなどの備品がそろっている場合が多く、部屋の管理もレンタルサロンが行うため、道具さえ持参すれば施術を行うことができます。本来必要になる費用や労力を抑え、施術に集中できる点は魅力的です。

場所の制限がない

レンタルサロンは様々なエリアにあるため、場所の制限なく好きなところで開業できます。加えて期間を分けて複数の場所で営業することもできるため、短期間の実験的な営業や、お客様のニーズに合わせてこちらが出向くなど、柔軟で自由度の高い経営が可能です。

また、エステサロンは主要な地域の駅近くに立地していることが多いです。サロンの集客において重要である「立地の良さ」を確保できる点は大きな利点です。

公私をはっきり区別できる

自宅でサロンを経営していると、いつお客様が来店するかわからず、仕事のメリハリをつけるのが難しくなります。また家族がいる場合は、彼らに協力をあおがなければなりません。レンタルサロンでは、そのような心配をする必要はありません。

また、サロン運営にはサロンの住所を公開しなければなりません。自宅サロンであれば、自宅の住所を不特定多数の人に公開しなければいけないことになり、女性の方は特に抵抗を覚えることでしょう。しかし、レンタルサロンであれば、サロンの住所を安心して公開できます。

必要な時だけ借りられる

レンタルサロンであれば自分の必要なタイミングで借りられるので、お客様の予約の入っているタイミングだけサロンを借りるといったことも可能です。

必要な時だけ借りられるため、料金も当然利用回数に依存し、固定の家賃の無駄を省くことができます。逆に多くのお客様を獲得できている場合は通常の物件を借りるべきですが、開業当初のリスクを考慮すると安全な選択肢といえるでしょう。

レンタルサロンのデメリット

一方で、レンタルサロン利用には以下のようなデメリットもあります。

• 形態が制限される
• 集客が難しい
• スケジュール調整が難しい

形態が制限される

場所という面では非常に自由度の高いレンタルサロンですが、自分でお店を構えることに比べると、コンセプトに合わせて道具や設備を充実させることが難しく、サロン形態も制限されてしまいます。

例えば、大型の脱毛機器を必要とする脱毛サロンなどはレンタルサロンとの相性は良くないでしょう。

集客が難しい

レンタルサロンは、屋外に看板を出すこともできず、利用規則によっては住所を登録することもできないため集客が難しい営業形態であるといえます。

以前にサロンワークをしていた場合は、当時のお客様に来ていただき、知り合いに拡散してもらうという方法もありますが、高い集客効果は見込めません。ホームページやブログ、SNSを使って地道に信頼を獲得していくことが必要でしょう。

スケジュール調整が難しい

レンタルサロンでは、スケジュールを自分の都合で調整しづらいというデメリットがあります。

複数のサロンオーナーが利用するレンタルサロンのほとんどが先約順であり、急な予約に対応できない、レンタルしたいときにできないということが起こりえます。副業として週末に働きたい人も多いため、週末は特に予約が取れない場合があるでしょう。

また、24時間レンタル可能なレンタルサロンばかりではありませんので、自身が借りるレンタルサロンの利用時間はよく確認しておく必要があります。

レンタルサロンの利用料金

レンタルサロンの料金は、場所や設備のグレードによって料金が異なります。料金の目安としては、1時間あたり1000円前後から数千円程度のところが多いです。

基本的には1時間単位でのレンタルですが、場合によっては1週間、1カ月といった単位でのレンタルが可能なケースもあり、自身の働き方に応じて決めると良いでしょう。

レンタルサロン利用上の注意点

レンタルサロンでサロンを開業する際は、次のようなことに注意すると良いでしょう。

• 開業届・青色申告承認申請書を提出する
• アロマなどの強い香りがNGの場合もある
• キャンセル規定がある
• レンタルサロン選びは慎重に行う

開業届・青色申告承認申請書を提出する

サロンを始めるにあたっては、税務署に開業届と青色申告承認申請書を提出しましょう。提出しないことによる罰則はありませんが、提出することで青色申告の対象となり、次のようなメリットがあります。

• 最大65万円の税金控除が適用される
• 赤字分を翌年以降に繰り越せる
• 自宅の家賃や光熱費を経費計上できる

詳しい開業届の書き方・申請方法はこちらをご覧ください。

アロマなどの強い香りはNGの場合もある

レンタルサロンによっては、強い香りのするアロマやお香などが使用できない場合があるため、こちらも注意が必要です。

理由としては、次の借主の迷惑になったり、ほかの部屋に香りが漏れてクレームにつながる可能性があるためです。アロマオイルなどを利用する場合は、事前に使用可能か確認しておくと良いでしょう。

キャンセル規定がある

ほとんどのレンタルサロンはキャンセル規定を定めており、キャンセル料が発生します。お客様の都合で施術がキャンセルになったときは、借主が負担しなければいけません。

事前にお客様向けのキャンセルポリシーを作成したり、キャンセル料金が発生しても赤字が出ないように施術料金を見直したりするなどしておきましょう。

レンタルサロン選びは慎重に行う

どこのレンタルサロンを利用するかは、開業前に慎重に吟味しましょう。

立地を決める際は、まずターゲットとなるお客様のイメージを検討します。主婦層やサラリーマンなど、ターゲットの行動範囲によってより良い立地条件も変わってくるはずです。

また、利用するレンタルサロンの決済方法も確認するべきでしょう。現金であれば、お釣りを準備しなければいけません。施術料がある程度高額になる場合は、お客様にとってもクレジットカード決済を利用できるサロンは便利です。

自身の提供するサービスに合ったサロンを選ぶことが重要です。内装は良いけれど、実は騒音の多い場所だった、ということも考えられるため、可能であれば事前に見学に行くのも良いかもしれません。

利点、注意点をおさえて自分に合った運営方法を

今回の記事では、レンタルサロンのメリットやデメリット、注意点などを解説しました。レンタルサロンは、エステサロンを開業したいけれど、自宅やテナントを借りるのはハードルが高いという方にぴったりな開業方法です。

どの方法もそれぞれの利点、注意点があるため、特徴を知ったうえで開業の選択肢として考えてみると良いのではないでしょうか。