業務用脱毛器の性能とJ(ジュール)の関係を知ろう
業務用脱毛器の性能を見比べている時に、よく目にする「J(ジュール)」という単位。その意味を詳しく理解している方は少ないのではないでしょうか。
今回のコラムでは、業務用脱毛器における「ジュール」の意味や比較する際の注意点を解説していきます。脱毛器の性能に深く関係する単位についてもご紹介しますので、業務用脱毛器を選ぶ際の参考にしてみてください。
ジュールは熱量を意味する単位
ジュールは「熱量・エネルギー」を示す単位です。身近な単位で言うと、「cal(カロリー)」に近い意味を持ちます。日常生活で用いられることはあまりありませんが、機械の出力やパワーを表す際に使われることが多いです。
業務用脱毛器の「ジュール」は出力を表す
業務用脱毛器におけるジュールは、機械の「出力」を表しています。ジュールの値が大きいほど、施術の効果が出やすいです。
しかし、脱毛器の出力が強いと肌に大きな負担がかかってしまい、やけどなどの肌トラブルが生じるリスクが高くなります。ただジュールの値が大きい脱毛器を選ぶのではなく、効果の大きさと肌へのダメージのバランスを考慮した上で判断するようにしてください。
「ジュール」を比較する際に注目すべき3点
業務用脱毛器を選ぶ際に、「ジュール」の値を見るだけでは一概に出力を比較することはできません。脱毛器のジュールの値は、以下の3点に左右されます。
- 脱毛器が採用する脱毛方式
- 「ジュール」の測定方法
- 業務用脱毛器の照射面積
脱毛器が採用する脱毛方式
業務用脱毛器のジュールの値が大きいほど、高い施術効果を得られるとお伝えしました。しかし、中には出力と施術の効果が比例しない脱毛方式もあります。ここでは、代表的な3つの脱毛方式と、脱毛器の出力との関係をご紹介します。
IPL脱毛
IPL脱毛では、照射した光が毛の黒いメラニン色素に反応して熱を発生させ、毛根にダメージを与えます。
そのため、ジュールの値が大きいほど強い光が照射され、強い熱が発生して高い脱毛効果が期待できると言えます。ただし、肌への刺激が比較的強いため、お客様の肌への負担を考慮しなければなりません。
SHR脱毛
毛根に直接熱を与えるIPL脱毛とは異なり、SHR脱毛では、毛根のそばにある「バルジ領域」という部分にダメージを与えます。バルジ領域はムダ毛を生やす細胞の司令塔となる部分であり、損傷させることでムダ毛を生やす細胞の働きを妨げることができます。
バルジ領域に弱い出力で繰り返し光を照射して少しずつ熱を与えるため、脱毛効果があまり出力に依存しません。SHR脱毛を採用している脱毛器において、ジュールの値を見比べるのはあまり有効でないと言えます。
THR脱毛
THR脱毛は、SHR脱毛と同様にバルジ領域をターゲットとしています。しかし、高出力の光を高速で連射することで、確実に安定した効果を得ることが可能です。IPL脱毛とSHR脱毛のいいとこ取りをした脱毛方式であると言えます。
SHR脱毛に比べると出力が強くなっており、ジュールの値によって効果はある程度変動しますが、IPL脱毛の場合ほど大きく影響するわけではありません。
「ジュール」の測定方法
業務用脱毛器の「ジュール」は、照射された光の強さを測定して算出することが一般的です。
しかし、照射口の端よりも真ん中、照射口から離れた場所よりも近い場所で測定する方が、大きな数値が得られます。そのため、同じ測定機を使用しても、照射口に対する位置や距離によって結果が変わってしまうと言えます。
各メーカーが測定方法を統一しているわけではないため、ジュールの値が大きい脱毛器の方が出力が強いとは必ずしも言い切れません。
業務用脱毛器の照射面積
ジュールに加えて、「J/㎠」という単位のついた数値を公表しているメーカーもあります。2つの単位を混同しているという方も多いのではないでしょうか。
ジュールがハンドピースの照射面「全体」からの出力を示すのに対し、「J/㎠」はハンドピースの照射面「1㎠あたり」の出力を表しています。
以下の2つの表記を見比べてみてください。
- 照射面積10㎠、出力50J
- 照射面積10㎠、出力10J/㎠
前者の方が出力の値が大きく、出力が高いように思えるかもしれません。しかし、実際には、50J/10㎠=5J/㎠と表すことができます。つまり、実際は後者の方が出力の強い脱毛器なのです。
光の照射面積が脱毛器ごとに異なることを考えると、脱毛器の出力を比較する上で、照射面積を考慮することは欠かせません。ジュールのみで表記をされている場合は、ジュールの値を照射面積で割って、J/㎠の値を算出してみてください。
ジュールの値はご紹介した要素に左右されますが、測定方法やジュールとJ/㎠の区別などが曖昧なまま出力の値を公表しているメーカーも多くあります。業務用脱毛器を選ぶ際には、ジュールの値を絶対的な指針とするのではなく、あくまで1つの比較材料として捉えると良いでしょう。
施術に最適な業務用脱毛器の出力とは
業務用脱毛器の中には、出力を調整できるものも多くあります。お客様にかかる負担を抑えつつ、効果を最大限に発揮するためには、最適な出力で光を照射することが大切です。
しかし、ムダ毛や肌の状態には個人差があり、「〇Jで施術すると良い」と言い切ることはできません。カウンセリングの際にお客様から以下のような情報を引き出し、それらを考慮した上で最適な出力を判断することをおすすめします。
- 施術部位
- 施術を受ける方の年齢
- 施術を受ける方の性別
- 肌の状態
業務用脱毛器選びに役立つ単位
業務用脱毛器の性能を見比べる上で、注目すべき単位をご紹介します。
W(ワット)
W(ワット)とは、消費電力を示す単位です。電子レンジやコンセントで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
業務用脱毛器において、ワットは使用する際の消費電力を示します。業務用脱毛器の消費電力が大きいと、毎月の電気代が高くなってしまいます。ワットの値は施術の効果に影響しないため、値が小さい脱毛器を選ぶとランニングコストを削減することが可能です。
V(ボルト)
V(ボルト)は電圧を表しています。電圧は「電気を押し出す力」を意味します。電圧が大きい脱毛器の方が勢いよくエネルギーを供給できると言えますが、電圧の大きさは施術の効果にはあまり影響しません。
日本のコンセントは100Vの機械に対応しているものがほとんどです。しかし、業務用脱毛器の中には電圧が200Vのものもあります。200Vの脱毛器をサロンで使用する際には、工事を実施して、200Vに対応したコンセントを設置しなければなりません。
脱毛器の「ジュールは」効果と安全性の指標
業務用脱毛器の「ジュール」が示すのは、機械の出力です。ジュールの値を確認することで、どれくらいの効果が期待できる機械なのかを大まかに判断することができます。
しかし、お客様の肌へのダメージも考慮しなければなりません。きれいになるために来店してくれるお客様に満足してもらうためには、効果と安全性のバランスが整った業務用脱毛器を選ぶことが重要だと言えます。
また、業務用脱毛器のメーカーが示すジュールの値は、絶対的な根拠がある数値とは言い難いです。あくまでも、業務用脱毛器を選ぶ1つの要素として参考にしてみてください。

この記事の執筆者
業務用脱毛機器アカデミー編集部
業務用脱毛機器アカデミーは、脱毛サロンの新規開業や脱毛機器の買い替えを検討しているサロンオーナー様に役立つ情報をご紹介するWebサイトです。元脱毛機器メーカー営業や脱毛サロンオーナーをはじめとする美容のプロたちが厳選した「本当に売上UPに繋がる」脱毛機器を徹底比較してランキング形式で掲載しています。
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