脱毛サロンをオープンするときには業務用脱毛器を導入する必要がありますが、たくさんあるマシンの中から、どんな機能のものを選べばよいのか悩んでしまいますよね。サロンで行う施術や、重視する機能によって選ぶべき脱毛器が違ってくるため、業務用脱毛器の特徴や選び方について理解を深めておきましょう。
この記事では、業務用脱毛器の選び方のポイントを8つ紹介しています。マシンを導入する際の注意点もまとめているので、合わせてご覧ください。
医療脱毛とエステ脱毛の違い
業務用脱毛器の選び方を理解する前に知っておきたいのが、医療脱毛とエステ脱毛の大きな違い。主に「使用する機器の仕組み」と「脱毛効果」の2つが挙げられます。
医療脱毛では、レーザーを使い毛根を破壊する施術が一般的で、永久的な脱毛効果が期待できます。レーザーを用いた脱毛機器は医療機関でのみ使用できるため、医師や看護師などの医療資格がないと施術できません。また、レーザー脱毛は痛みを感じることがあるため、多くのクリニックでは麻酔を用いて施術します。
一方、エステ脱毛では、専用の光で毛根周辺にダメージを与えて毛の育成を阻害する機器が用いられます。光脱毛では、毛根や毛を作る組織を破壊することができないため、脱毛を行ってもまた毛が生えてくる可能性があります。
永久的な脱毛効果はありませんが、継続することで全体的な毛の量が減り、自己処理が楽になるといったメリットがあります。
エステ用の業務用脱毛器の種類
エステでは、光で熱を与えて脱毛する方法が一般的ですが、使用するマシンによって効果のある毛質や使用できる肌質が異なります。それぞれの違いを知り、あなたのサロンに適したマシンを導入しましょう。
IPL脱毛
IPL(インテンス・パルス・ライト)脱毛は、照射した光がメラニン色素に反応し、熱を発生させることで組織にダメージを与えます。黒い色に反応するため、濃く太い毛に効果がある一方、産毛や色素の薄い毛では効果を感じにくいという特徴があります。
強いパワーで光を照射し広範囲に施術できるため、効果を早く実感することができるのがメリットです。成長期の毛に効果があり、毛が生えていないと効果がないため毛周期に合わせた施術が求められます。
IPLはエステ脱毛において最もポピュラーな方式であり、多くのサロンで導入されています。しかし、肌への刺激は強めで、メラニンに反応するため日焼けした肌やほくろには使用できません。
SHR脱毛
SHR(スーパー・ヘア・リムーバル)脱毛は蓄熱式脱毛とも呼ばれ、発毛を促すバルジ領域に対して光を当て、熱によって周辺組織にダメージを与える脱毛方法です。毛根に作用する仕組みではないため、毛周期を気にせずに施術できます。
メラニン色素に反応しないため、黒めの肌の色やほくろ毛に対しても施術が可能であり、産毛にも効果を発揮します。
IPLに比べて効果を実感するまでに時間がかかるのも特徴の1つ。肌への刺激が少ないので人気がありますが、比較的新しい技術のため、脱毛効果についてのデータが少ない点はデメリットといえるかもしれません。
S.S.C.M脱毛
S.S.C.M(スムース・スキン・コントロールメソッド)脱毛は、専用ジェルを塗布した肌にライトを当て、毛の成長を押さえる脱毛方式。SHR脱毛同様、効果を感じるまでに時間がかかるのが特徴です。
濃く太い毛の脱毛にはあまり効果がなく、背中や腕などの細い毛や産毛などの施術に向いています。従来の施術に比べて肌への負担が少なく、専用ジェルに含まれる成分によって美肌効果も期待できるとされています。
業務用脱毛器の価格
業務用脱毛器の価格は、一般的に安いものでも100万円以上の費用がかかり、中には500万円近くのマシンもあります。このほか消耗品やパーツも適宜必要になるので、導入する際はマシン本体の価格だけでなく、ランプ交換やメンテナンス代などのランニングコストも含めて予算を組みましょう。
決して安い出費ではないため、レンタルや中古機器の購入など、費用を抑えられる方法も合わせて検討するとよいでしょう。ただし、導入してから必要な施術ができないという事態にならないよう、金額だけでなく機能についてもきちんと把握しておくことが大切です。
業務用脱毛器の選び方
業務用脱毛器を選ぶときは、自身のサロンに適した機能が備わっているか、スタッフが容易に扱えるかなどを基準にして探しましょう。以下、業務用脱毛器を選ぶ際のポイントを解説していきます。
- 施術時間
- 施術の痛み
- リースまたはレンタルの可否
- マシンの使いやすさ
- アフターフォローの有無
- ランニングコスト
- 脱毛以外の機能
- 日本製の機器かどうか
施術時間
業務用脱毛器には、1〜2秒に1発照射する「単発式」と、同じ時間で数回照射できる「連射式」があります。連射式の方が施術時間を短縮できるため、サロンの回転率を上げることができ、より多くのお客様を受け入れられるでしょう。
ただし、機器によっては1ショットあたりの出力を下げていることがあるので注意が必要です。1ショットの威力が弱ければ時間とコストがかかるだけでなく、脱毛効果も低くなることからサロンの評判にも影響が出かねません。
施術の痛み
光脱毛は、熱を与えて毛根周辺にダメージを加えるため、医療脱毛やニードル脱毛に比べて痛みが少ない特徴があります。しかし、人によっては熱さや痛みを感じることもあるため、パワーの調整やハンドピースの冷却機能の有無などが重要なポイントになります。
「痛かった」「熱かった」といった口コミは、契約を考えているお客様にネガティブな印象を与えかねません。お客様によっては、より痛みの少ない機器を使った施術を提案する、といった対策も必要になるでしょう。
リースまたはレンタルできる
業務用脱毛器は100万円〜500万円程度と高額になるため、購入するのは厳しいという方もいることでしょう。購入が難しい場合は、リースまたはレンタルができるかどうかも機器を選ぶ重要なポイントになります。
マシンによっては月々のレンタル代のみで初期費用がかからないケースもあるため、予算に応じて検討するとよいでしょう。レンタルやリースを検討する際には、保証期間やメンテナンス、期間終了後の買い取りなどについても確認しておいてください。
マシンの使いやすさ
毎日使うマシンの使いやすさは、何よりも重視したいポイントです。機器によっては日本語に対応していなかったり、設定や操作が難しかったりするケースもあるので、スタッフが操作に困らないマシンを選びましょう。
脱毛器はお客様の肌に直接触れるため、万が一問題が起こった際に正しく操作できなければトラブルにつながりかねません。ヒューマンエラーを防止するためにも、スタッフが使いやすいマシンを選ぶことが大切です。
アフターフォローの有無
脱毛器をサロンに導入して終わりではなく、使い方の指導や、メンテナンスなどのアフターフォローが受けられるかどうかを確認しておきましょう。
機器が故障したときの対応は、大きく「訪問修理」「センドバック」の2パターンに分けられます。センドバックは、メーカーに機器を送って修理、交換してもらう方法で、先にマシンを送る手順の場合は、代替機がすぐに届かなければ営業に支障が出ることもあるため注意が必要です。
国内メーカーの機器でない場合は、部品の発注に時間がかかったり、修理費が高額になったりする可能性がある点にも気をつけましょう。
ランニングコスト
サロンを運営して行くうえで、ランニングコストの問題は避けて通れません。脱毛サロンでは光源ランプやジェル、拭き取り用タオル、クリーニングなどが主なランニングコストとして挙げられます。
中でも、光源ランプは使い切るたびに交換しなくてはならないため、ランプの金額とショット数、1ショットあたりの金額を意識して選びましょう。ジェルにはさまざまな種類があるため、施術時間を短縮できるよう拭き取る必要がないものを選ぶといった工夫も大切です。
脱毛以外の機能
サロン用の機器には、脱毛機能だけでなくフェイシャルエステやバストケアに対応しているものもあります。これらの機能があれば、脱毛が終了したお客様に新たなメニューを提案でき、新規顧客を集める負担の軽減につながるでしょう。
また、脱毛と他の施術と組み合わせることで、お客様一人ひとりに合ったプランを作ることも可能になります。
日本製の機器かどうか
国外で製造された機器が悪いわけではありませんが、マシンによっては壊れやすいものもあるので、口コミなども参考にして選ぶのがおすすめです。
また、外国製の機器は修理や部品に費用がかかったり、代替機の到着までに時間がかかったりするケースがあるため、事前に故障した場合の費用、部品が届く期間なども確認しておきましょう。
導入前に業務用脱毛器の効果をチェック
業務用脱毛器を導入する際は、失敗を防ぐため、事前に機能や効果をしっかり確認しておくべきです。脱毛器のメーカーではデモ体験を提供していることが多く、実際に施術を受けて効果を試すことができます。
また、ハンドピースの重さや、施術時に発生する音の大きさなど、お客様、スタッフ双方の観点から快適な施術が行えるかどうかチェックするとよいでしょう。サロンに来てくれるメーカーのデモ体験だと、実際に室内に置いたときの大きさや雰囲気が分かるので、訪問型の体験デモがおすすめです。
業務用脱毛器導入の注意点
業務用脱毛器は、高価なうえサロンの評判にも大きく関わるものなので、適切なマシンを選ぶ必要があります。使用し始めてから「やっぱり別のマシンにすればよかった」ということにならないよう、以下の点に注意しましょう。
- 最新の機器かどうか
- 中古の機器の導入は慎重に
- 安全性能が高いかどうか
- ネットの比較情報を鵜呑みにしない
最新の機器かどうか
最新の機器は、それだけで広告の目玉になるため、「周囲のサロンと差を付けたい」「開業時の売りにしたい」などの場合には、最新機器を検討するのがおすすめです。
ただし、マシンによっては、機能は前のままなのに名前を変えて「新商品」として売られている機器も少なからずあるので注意が必要です。カタログなどで機能を見比べ、きちんと比較して購入してください。
中古の機器の導入は慎重に
導入費用を抑えるために中古機器の購入を検討することもあるでしょう。中古機器は慎重に選ぶ必要があります。オークションサイトやフリマアプリでも安く買えることがありますが、本当に使えるのか、メンテナンスがきちんと行われているかを判断するのは困難です。
安全性が担保されていない商品は、やけどや肌荒れなどのトラブルにつながりかねないので気をつけましょう。保証期間が残っている場合でも、購入ルートによっては対象外になる可能性があるため要注意です。
個人間売買より高くなるかもしれませんが、メーカーや専門の買い取り業者が取り扱っている中古機器だと安心だと言えます。
安全性能が高いかどうか
業務用脱毛器は、光を当てて施術する際に熱が発生するため、やけどしないようにハンドピースを冷却する必要があります。冷却ジェルを使うといった方法もありますが、より安全な冷却機能が搭載されたマシンを選ぶと良いです。
また、合わせてメーカーが臨床データを公表しているかどうかも確認しておきましょう。メーカーが発表しているデータは、マシンの安全性の確認とともに、サロンの信頼性を高めることにもつながります。
ネットの比較情報を鵜呑みにしない
インターネットには、業務用脱毛器の比較記事がたくさんありますが、鵜呑みにして購入するのはおすすめできません。中にはアフィリエイト記事もあり、マシンに関する資料のダウンロードや、購入によってアフィリエイターが利益を得ているケースがあります。
実際に使用していないにも関わらず、おすすめとして紹介している可能性があるため、複数の情報を吟味して検討するべきです。
脱毛器はサロンに合ったものを選ぶことが大切
業務用脱毛器を選ぶ際は、サロンのコンセプトに合わせることも大切です。女性だけが対象のサロンなのか、キッズ脱毛やメンズ脱毛も行うのか、それによって選ぶべき機器が異なるでしょう。
また、ユーザー層が女性だけだとしても、VIOやフェイシャルなど、施術部位によって最適なマシンが異なるので、提供するサービスを明確にしたうえで脱毛機器を選ぶことが大切です。
お客様の層に合わせて、あるいは個人の毛質に合わせて出力の幅を調整できるマシンを選べるとベターです。
脱毛器の購入と支払い方法
脱毛機器の購入と支払方法には、以下4つの方法が考えられます。予算に合わせて方法を決めましょう。
- 新品機器の一括購入
- 中古機器の一括購入
- 新品機器の分割購入
- レンタル、リース
上記の中で最も費用がかかるのが新品機器の分割購入で、本体代だけでなく分割手数料が必要になります。レンタルやリースは月々の支払いがかかりますが、初期費用が不要なケースも多いので導入しやすいものの、支払期間中に故障すると月の支払が多くなってしまうことがあります。
一方で新品機器の一括購入は最初に導入費用が大きくかかるものの、月々のランニングコストを抑えられるのがメリットです。
脱毛器だけじゃないサロン運営で大切なこと
サロンを経営するときは、業務用脱毛器だけでなく、集客やスタッフの採用についても考えなければなりません。お客様にたくさんご来店いただき、順調に利益が増やせるよう、以下の点を工夫してみましょう。
- 集客方法
- スタッフ採用
- 予約システム
集客方法
サロン運営では、集客が最も大切です。予約が埋まらなければ焦りますし、売上の見込みが立たなければ不安にもなるでしょう。脱毛サロンの主な集客方法として以下の5つが挙げられるので、効果的に集客できるよう活用してみてください。
- SNSを運用
- オープンやキャンペーンのチラシを作成
- Webサイト
- フリーペーパー
- 広告を出稿 など
ただし、無作為に行っても集客につながらないため、お客様の層に合わせて発信する内容を工夫する必要があります。
スタッフ採用
スタッフの人数は、経費に大きく影響するため慎重に検討しましょう。人数が少なくて施術に手が回らないようでは困りますが、必要以上にいても余分に人件費がかかってしまいます。
まずは必要最低限の人数で開店し、予約が増えてからスタッフを増やすとよいでしょう。オープンして間もない頃は、オーナーもスタッフも慣れないため、お互いに不満が出ることもあります。
そんなとき、経営側とスタッフ側の両方の立場に立てる人がいると、人間関係が円滑になります。脱毛サロンをオープンするときは、まずあなたの右腕になってくれるような人を探してから他のスタッフを探すのがおすすめです。
予約システム
人件費を削減するため、予約システムを導入するのもよいでしょう。予約システムには以下のような機能が備わっているので、予約受け付けの手間を大幅に削減することが可能です。
- WebサイトやLINEから24時間予約の受け付けができる
- LINEやクーポンサイトなどからの予約を一元管理できる
- お客様に来店を促すメッセージやクーポンが送れる
- お客様のカルテや個人情報をまとめて管理できる
- シフトと予約管理を連携させ指名客のスケジュールも調整できる
あなたのサロンに合った脱毛器を選ぼう
エステ脱毛では、医療用のレーザー機器が扱えないため、光を用いて脱毛するマシンを導入する必要があります。業務用脱毛器には、「IPL」「SHR」「S.S.C.M」と、3つの種類があり、それぞれに効果のでる早さや、効果的な毛質が異なるため、サロンで行う施術に合わせて選ぶ必要があります。
脱毛器は、お客様の肌に直接触れるもののため、デモ体験を活用し、使いやすさや安全性、施術の痛みなどを確認してから導入するとよいでしょう。
この記事の執筆者
業務用脱毛機器アカデミー編集部
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