【医療脱毛】熱破壊式と蓄熱式の違いとは？仕組みと特徴を解説

医療脱毛で採用される主な脱毛方式として「熱破壊式」と「蓄熱式」が挙げられますが、何が違うのかわからず戸惑う方も多いのではないでしょうか？医療脱毛で照射されるレーザーにはさまざまな種類があり、目的に合わせた機器を使用しないと効果を実感しにくいことがあります。

この記事では、医療脱毛で用いられる熱破壊式レーザーと蓄熱式レーザーの違いについて解説しています。それぞれの脱毛に向いているケースも紹介しているので合わせてご覧ください。

【医療脱毛】熱破壊式と蓄熱式は何が違う？

熱破壊式と蓄熱式のマシンは何が違うのでしょうか？それぞれの特徴や違い、適している毛質などを知り、自分に合った施術を選びましょう。以下、熱破壊式と蓄熱式の特徴と、メリット、デメリットについて解説します。

熱破壊式

熱破壊式は、毛乳頭と毛母細胞に高出力のレーザーを照射して毛根を破壊する脱毛方法です。レーザーが毛の黒いメラニン色素に反応して熱を発し毛根を破壊するため、黒くて太い毛に適しています。

VIOやワキなどの、濃い毛が集まっている場所の脱毛で効果を感じやすいでしょう。早ければ施術の翌日には毛が抜ける人もおり、即効性を感じやすいという特徴があります。

ただし、メラニンに反応する仕組みゆえ、毛質や肌の色によっては効果を感じなかったり施術できなかったりする場合がある点には注意が必要です。

また、毛根に届くよう強いレーザーをあてるので、特に皮膚が薄い場所の施術では、人によっては強い痛みを感じることがあります。痛みが苦手な人はクリニックで麻酔をしてもらいましょう。

メリット

• 濃く太い毛に有効
• 1～2週間程度で毛が抜け始めるので即効性を感じやすい
• 毛根を破壊するので永続的な効果が期待できる

デメリット

• 痛みを強く感じることがある
• 産毛には不向き
• 日焼けや黒ずみなどメラニン色素の多い皮膚には施術できない

蓄熱式

熱破壊式とは異なり、毛根ではなく皮膚の浅い部分にあるバルジ領域に対して低出力のレーザーを照射してダメージを与える方法です。バルジ領域は毛乳頭に指令を出して発毛を促す器官を指します。

蓄熱式レーザーでの施術は「これから生える毛の成長の阻害」が目的のため、脱毛効果を実感するまでに時間がかかることがあります。そのため、熱破壊式に比べて効果がないと言われがちですが、毛が抜けるスピードが違うだけで脱毛効果が低いわけではありません。

また、蓄熱式は弱いレーザーを連続照射するので、熱さや痛みを感じにくいといった特徴があります。黒い色に反応するわけではないので、マシンによっては白髪や産毛など、メラニン色素の薄い毛にも効果があります。

メリット

• 痛みが小さく肌への負担が少ない
• 白髪や産毛にも使用できる
• さまざまな肌質や肌色に対応できる

デメリット

• 効果を感じるまでに時間がかかる
• 濃く太い毛は抜けるまでに一か月程度かかることもある

熱破壊式と蓄熱式どっちがいい？

熱破壊式と蓄熱式には前述のようにそれぞれ異なった特徴があるため、適した毛質や肌質も異なります。以下、それぞれに向いているケースをまとめたので、脱毛の参考にご覧ください。

熱破壊式が向いているケース

熱破壊式は、とにかく早く脱毛効果を実感したい場合におすすめです。とくにVIOやワキなど、太く濃い毛が密集している箇所の脱毛に適しています。剛毛や硬毛化してしまった毛に悩んでいる人は熱破壊式のマシンが向いているでしょう。

また、ゴムで弾いたような強い痛みを感じることがあるので、「痛みに対してあまり恐怖を感じない」という人にも向いています。ただし、熱破壊式はメラニン色素に反応するため、日焼けしている人やほくろやシミが多い肌には適していません。

蓄熱式が向いているケース

肌の状態によって熱破壊式を断られた人は、蓄熱式を検討しましょう。メラニン色素に関係なく施術できるため、背中や腕、顔の産毛など、メラニン色素の薄い毛を脱毛したい場合に適しています。

また、蓄熱式は肌に優しいとされており、アトピーや敏感肌でも施術できるケースがあります。レーザーの照射スピードが早いので、背中や全身など、短時間で広範囲を施術する場合にも向いているでしょう。

医療用脱毛機器の種類

医療脱毛のマシンには、以下3つのレーザーが用いられています。それぞれ特徴が異なるため、毛質やお肌の状態に合わせて適したマシンを選びましょう。

• アレキサンドライトレーザー
• ダイオードレーザー
• ヤグレーザー

アレキサンドライトレーザー

国内外の医療脱毛の現場で広く使われているレーザーで、毛乳頭を破壊するため脱毛効果を実感するのが早いという特徴があります。メラニン色素に反応するため、太くて濃い毛に適していますが、やけどの危険があるので色素沈着が多かったり、日焼けしていたりする肌には施術できません。

波長	755nm
適した毛質	濃く太い毛
特徴	・波長が短く、メラニン色素への反応が良い ・日焼けや色素沈着のある肌には適さない

波長が短いのでヤグレーザーよりは痛みを感じにくいものの、毛根が深い男性のヒゲでは効果を感じにくく、硬毛化のリスクもあるとされています。

ダイオードレーザー

さまざまな肌質や毛質に対応できるレーザーで、肌に優しいためアトピーや敏感肌の人でも施術できる可能性が高いのが特徴です。

波長	800～940nm（機器により異なる）
適した毛質	産毛や色素が薄い毛もOK
特徴	・蓄熱式なら色の黒い肌でも使用できる ・蓄熱式と熱破壊式がある

他のレーザーに比べて痛みが少なく、蓄熱式と熱破壊式の2種類があるので、蓄熱式の機器であれば色素沈着がある肌や地黒の人でも施術が可能です。

メラニン色素に反応しないので、マシンによってはホクロ毛にも対応できます。

ヤグレーザー

波長が長く深い場所にある毛根に届くレーザーです。熱破壊式ですが、メラニンの吸収率が低く表皮の色素にはあまり反応しないため、色素沈着がある肌にも施術できるのが特徴です。

波長	1064nm
適した毛質	ヒゲやVIOなどの太く根が深い毛
特徴	・毛根が深く抜けにくい毛に使われる ・硬毛化した毛にも効果がある

男性の濃いヒゲや硬毛化した毛にも使えますが、レーザーの中では最も痛みが強いので、ほとんどのクリニックで麻酔を使用します。

医療脱毛の期間と回数

脱毛は毛周期に合わせて適切に行う必要があります。毛周期は「成長期→退行期→休止期」を繰り返すサイクルであり、施術しても効果が得られない時期もあるため注意しなければなりません。

毛根に作用する熱破壊式は成長期の毛にしか効果がありませんが、バルジ領域に作用する蓄熱式では毛周期に関係なく施術できるので覚えておきましょう。

施術の回数は、個人差がありますが「自己処理がしやすくなるまでに5回程度」「ツルツルになるまでに10回程度」の施術が必要といわれています。

熱破壊式は即効性が感じられ、蓄熱式はすぐに効果を感じにくいという特徴はあるものの、最終的に熱破壊式か蓄熱式かで大きく期間や回数が変わることはありません。

脱毛施術後の注意点

レーザーを用いる医療脱毛は、肌に少なからずダメージを与えます。脱毛期間中は適切にケアをしないと肌トラブルが起こる可能性が高くなるので気をつけましょう。施術直後の肌はデリケートなため、締め付けの強い下着を身に付けたり、肌を強く擦るマッサージを実施したりするのは控えてください。

また、運動や入浴、飲酒によって血行が良くなると「赤みがひきにくくなる」「痛みやかゆみが出る」といったことがあるので、施術当日はこれらを避けるのが賢明です。

施術後に湿疹やヒリヒリした痛みが出たり、数日経っても赤みが引かなかったりといったトラブルが起こった場合にはすぐにクリニックに連絡しましょう。

【熱破壊式・蓄熱式】自分に合った脱毛方法を選ぼう

脱毛レーザーには熱破壊式と蓄熱式の2種類があり、それぞれ作用する部分が違うため、毛質や肌質に応じて選ぶ必要があります。

熱破壊式は、メラニンに反応するため濃くて太い毛に効果があり、蓄熱式は産毛やメラニンの少ない毛にも効果があります。マシンによっても適した毛質が異なるため、クリニックでしっかり相談しながら自分に合った脱毛方法を選びましょう。